特集「出演者インタビュー」 ~Japan National Orchestraと海外トップアーティストとの共演~ JNOメンバーとベルリンフィルからのゲストによる極上の室内楽 Vol.3

~Japan National Orchestraと海外トップアーティストとの共演~ JNOメンバーとベルリンフィルからのゲストによる極上の室内楽 Vol.3

ピアニストで指揮者の反田恭平が中心となり、奈良を本拠地として国内外で活躍の幅を広げている楽団「Japan National Orchestra」の名手が集い、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のオーボエ奏者であるクリストフ・ハルトマンと室内楽の饗宴を繰り広げます。
最も注目したいのは、モーツァルトのオーボエ四重奏曲 K.370。音の玉手箱のように魅力的な旋律が目眩く登場し、いかにもモーツァルトらしい作品です。朗らかな曲想がオーボエの響きをより引き立てる第1楽章、情感豊かなオーボエの旋律と美しいハーモニーを奏でる弦楽器がマリアージュを成す第2楽章、コロコロと技巧的な旋律が弾むように展開する第3楽章で構成されます。他にも同じ編成によるブリテンの『ファンタジー』では、モーツァルトにはない推進力や深淵な世界が広がります。

(文・桒田萌)

Japan National Orchestra

ピアニスト反田恭平がプロデュースし、同世代のソリストとしても活躍する実力派アーティストに声をかけ2018年「MLMダブル・カルテット」としてスタート。2019年「MLMナショナル管弦楽団」として管楽器を加え再編成してコンサートツアーを行い、東京・サントリーホールで行われた公演では2000席が完売したことをはじめ、室内楽では異例の動員数をたたき出した。
2021年1月MLMナショナル管弦楽団をJapan National Orchestraと改名。会社組織を作り運営をスタートした。メンバー個々人のリサイタルシリーズを展開中など常にアンサンブルの新しい魅力の開拓に挑戦している。

オフィシャルサイト
https://www.jno.co.jp/ja

音と音の緻密なコミュニケーションを紡ぐ「室内楽」の魅力

少なくとも2人、多くて10人ほどのコンパクトな人数で、時にはダイナミック、時には繊細に、独特の音世界を構築していく「室内楽」。「器楽のみで演奏」というスタイルを同じくするオーケストラと比較し、その歴史にも触れながら、魅力を探っていきます。

指揮者なしで、演奏者だけで音楽を作り上げる
そもそも室内楽とは、どんな音楽なのでしょうか。複数の器楽で演奏されるオーケストラと比較して考えてみましょう。
一つ目は、規模。オーケストラの場合、ヴァイオリンやヴィオラ、チェロなどの弦楽器には、それぞれに複数人の演奏者がいます。その結果、オーケストラ全体で考えると人数が多く、そのダイナミックさが際立ちます。一方、室内楽の場合、それぞれの楽器やパートに演奏者は1人。弦楽四重奏の場合は、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの4人で編成されます。
二つ目は、指揮者がいないこと。オーケストラの場合、テンポや強弱、具体的な表現など、指揮者が大きな流れを作り出していくため、どのような音楽になるのかは指揮者によって大きく左右されます。しかし、室内楽では独立したソリストが複数人集まり、それぞれが息や目を合わせることで、有機的に音楽を紡いでいくのです。
それぞれが「個」として自立している複数の演奏者が集まり、一つの音楽を作る。そんな小さな合奏形態が、「室内楽」です。時には息を合わせて心地よいハーモニーを奏でることもあれば、ライブならではの空気感に左右され、思いもよらぬ駆け引きでスリリングな展開になることも。音同士でディベートを行うような、即興演劇を繰り広げるような……。室内楽の魅力は、演奏者同士の緊張感に満ちた濃密な対話にあるといえます。
室内楽が「室内」である理由
ところで、「室内楽」はどうして「室内」なのでしょうか? オーケストラも等しくホールという室内で演奏されるにもかかわらず……。
理由は、その歴史にあります。かつて、音楽が今のように大衆向けのコンサートホールで演奏される文化が確立していなかったころ、音楽は教会などの宗教的な場、もしくは王侯貴族のために演奏されることが一般的でした。中でも室内楽は、宮廷の敷地内にある部屋で披露されてきました。宮廷の敷地にある部屋=“室内”で、複数人の音楽家たちが演奏を繰り広げる――そうして室内楽は誕生しました。
室内楽の中でも最もスタンダードな編成は、「弦楽四重奏」でしょう。この編成の創始者は、作曲家のハイドン(1732~1809)だとされています。ハイドンは仕えていた貴族の男爵から「ヴァイオリン奏者とチェロ奏者の知人、そしてヴィオラの弾けるハイドンの4人で弾ける曲を作ってくれ」と依頼を受け、初めて弦楽四重奏曲を書いたとされています。近代的な室内楽の形態が定まっていない当時はイレギュラーな編成だったそうですが、ハイドンは手応えを感じたのか、生涯で弦楽四重奏作品を80曲以上書き、中でも第67番「ひばり」や第77番「皇帝」などの名曲を残しています。
さまざまな楽器のマリアージュが楽しめる室内楽
ハイドンが弦楽四重奏作品を多く残して以降、室内楽にはさまざまな編成が確立されてきました。たとえば、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの5人で演奏する「木管五重奏」や、弦楽四重奏にクラリネットを加えた「クラリネット五重奏」、ピアノを含めた5つの楽器による「ピアノ五重奏」など。今回は、ベルリン・フィルよりオーボエ奏者のクリストフ・ハルトマンさんが登場し、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの「オーボエ四重奏」というスタイルで、特別なサウンドを聴かせてくれることでしょう。
それぞれの楽器の魅力を知れるだけでなく、楽器同士の真剣な対峙に飲み込まれる楽しさをも感じられる室内楽。ぜひこれを機に、その沼にハマっていただきたいものです。

(文・桒田萌)

クリストフ・ハルトマン(オーボエ)

1965年ランツベルク・アム・レヒ生まれ。アウクスブルクのレオポルド・モーツァルト音楽院にてゲオルク・フィッシャー氏、ミュンヘン音楽大学にてギュンター・パッシン氏に師事、オーボエと室内楽の修士号を取得。在学中よりシュトゥットガルト・フィルハーモニーで活躍した後、1992年よりベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のオーボエ奏者として活躍する傍ら、同楽団アカデミーを始め世界各地にて後進指導にあたるオーボエの伝道師。ソロ・室内楽の分野でも積極的に演奏活動を展開。アンサンブル・ベルリンおよびフィルハーモニー・オーボエ・カルテット創設メンバー。オーボエ奏者としてEMIと契約し、2008年リリースした協奏曲集アルバム『麗しのナポリ』は英グラモフォン誌など国内外で非常に高く評価された。

奈良の音楽を愛する皆様へ
この素晴らしき日本の古都にて、これから世界の音楽界を担っていくJapan National Orchestraのメンバーとご一緒させていただく事はこの上ない喜びであります。 3回目の共演となる今回はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ奏者とともに私のオーボエを加えた「オーボエ・カルテット」と言う編成にて皆様を18世紀初頭から20世紀末までの音楽の旅にご案内させて頂きたいと思います。

クリストフ・ハルトマン

公演概要

公演名
~Japan National Orchestraと海外トップアーティストとの共演~
JNOメンバーとベルリンフィルからのゲストによる極上の室内楽 Vol.3
日程
6月1日(土) 14:30開場/ 15:00開演 
会場
奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~ 能楽ホール
〒630-8212 奈良県奈良市春日野町101 (Google Map
座席指定

指定席

※未就学児童の入場はご遠慮ください。

チケット価格
A席:2,000円 / B席:1,000円
※4公演通し券対象

当日券:残席がある場合に限り、会場にて販売(500円増し)
曲目

バッハ:イタリア協奏曲 BWV971
モーツァルト:四重奏曲 K.370 ほか

出演者

Japan National Orchestra 弦楽カルテット
クリストフ・ハルトマン(オーボエ)

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